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2月 082020
 

Raspberry pi 3 B と同じCPUを搭載したCM3 +(Plus)シリーズが発表されたのは昨年(2019年)1月でした。Raspberry pi 3 Bと同様にmicroSDカードベースのCM3 + Lite(eMMCなし)モデル以外に8GB,16GB,32GBのeMMCを搭載した4種類のモデルが発売されました。CM3では4GB搭載モデルしかありませんでしたので、Raspbian Buster Lite(最新版、2019年以降releaseでないとCM3 +が動作しません)しかinstallできませんが、8GB以上あればRspbian Buster with desktopもinstall可能です。機器組込用途ではmicroSDへのアクセスが続くことによる「ヘタリ」やホコリや周囲温度によるトラブルに気を遣うことがなくなります。これらのeMMC搭載モデルが最近国内でも入手しやすくなりましたのでCM3MB2,CM3MB3に搭載し、Raspbianのinstallなどの方法を紹介します。なおAudio機器組込用に開発されたCM3MB1への搭載方法についてはRAL_Raspi Blogページを参照して下さい。

機器組込用としてRaspberry pi 3 Bなどの標準外形モデルを使用する場合、四方からコネクタが出ていたり、microSDカードソケットの位置にも気を遣わねばなりません。Photo-1はRaspberry pi 2Bを組込んだ一例です。

[Photo-1]【ナンバー呼出システムVango】の内部配線の様子。

USBやHDMIの配線が入り組んでいます。また、写真では見づらいですがRaspberry pi 基板下側の裏側(白いコネクタの裏側)にmicroSDのスロットがあります。メディアの着脱を考えると、この部分も考慮する必要があります。

ナンバー呼出システムVangoの外観

 

もっとスマートにRaspberry piを組み込むにはどうすればよいかということで、私たちは電源まわりやRealtime Clock,Battery Backupなどの周辺回路を搭載したCM3MBシリーズを提供しています。今回発売されたeMMC搭載のCM3 +はまさに「鬼に金棒」と言えます。

 

RPi-CM3MB2シリーズ

バックアップ電池搭載の多機能キャリアボード。写真はPoE対応版

(約166mm x 112 mm 約206g)

 

RPi-CM3MB3

小型キャリアボード(約120mm x 84mm 約82g)

 

Step.1

基本となるOS Raspbianのdownload、解凍、CM3 +上のeMMCへのOSの書き込みを実行するためにWindow10PCを用意してください。microSDカードに書き込む場合と同様に

SDFormatter

Win32DiskImager

のinstallも必要です。CM3+上のeMMCにRaspbianを書き込むためにはWindws10からeMMCをmicroSDカードとして認識させるためのrpiboot.exeというDeviceDriverが必要です。

詳しくは,’Flashing the Compute Module eMMC‘という記事を参照して下さい。その記事中のlinkをクリックしてRPiBoot.exeをdownload,installしておいて下さい。

Step.2 

CM3MBxにeMMC付きのCM3 +(CM3 4GBも同様です)を装着して下さい。J6(USB Boot)の1-2間に短絡プラグを差し込み、ENableに設定 して下さい(Photo-2,3参照、CM3MB2/MB3共通)。

[Photo-2]RPi-CM3MB2シリーズ

[Photo-3]RPi-CM3MB3

 

Step.3

CM3MBxのmicroUSBコネクタ(cn2)とWindows10PCのUSB-Aポートを接続しCM3MBxの電源をONにして下さい。

Step.4 

Windows10PC上でrpiboot.exeを実行してください。command promptのWindowが表示され、CM3+の接続待ちとなります。数秒後にCM3+上のeMMCが認識され、ドライブ名がアサインされますのでexplorerで確認して下さい。

Step.5

アサインされたドライブに対してSDFormatterを実行し、microSDに見せかけたeMMCをフォーマットして下さい。

SD Card Formatter

 

Step.6 

Formatが終了したらWin32DiskImagerを実行、書き込み先としてStep.4で確認したドライブ名を指定し、あらかじめdownload、解凍しておいたRaspbianのimageをeMMCに書き込んで下さい。Raspbianは最新版はRaspbian Buster 4.19 2019-09-26ですが、CM3(4GB)に書き込む場合はLiteを選択しないとimageが収容できません。CM3+(8GBもしくは16GB,32GB)の場合は”with Desktop”も書き込めますが、”with Dsktop”や”with Desktop and Recomennded Software”版はRaspbery piをLinux Desltop機としてPCライクに使用するためのものですので、機器組込み用には”Lite”が最適です。

Win32 Disk Imager

Step.7

書込みが正常終了したらexplorerでアサインされたドライブをクリックしてみて下さい。ドライブにはbootというラベル(Volume名、Raspberry piでは/bootという名称のFAT32のフォルダ)が付けられておりその下のファイルが表示されます。そこにあらかじめPC上に作成しておいたssh(もしくはSSH)という名前の空の拡張子がないファイル(何かのtextがはいっていてもよい)をcopyしておきます。このsshというファイルが/bootに存在しないと同一Networtk上のPCやMacからSSHを使用してlogfinできませんのでCM3+の初期設定などが難しくなります。sshという名称のファイルはPC上ではテキストエディタ(‘メモ帳’など)を使って作成できますが、必ず’名前の変更’を選択して拡張子を削除しておいて下さい。

Step.8

同様にPC上でテキストエディタを使用してあらかじめPC上にuserconfig.txtという名称のtextファイルを作成しておき、そのファイルをeMMC(Raspbianの/bootフォルダ)にcopyして下さい。userconfig.txtの内容は下記ですが、一つの文中にスペースは入れないで下さい。スペースがあるとセパレータとして認識され記述した内容が正しく実行されません。またタイプミスがあってもbootの実行は止まらずそれらを無視して続行されますので正確に記述して下さい。

dtoverlay=pi3-act-led,gpio=16

dtoverlay=gpio-poweroff,gpiopin=5

Windows10上のTextエディタでboot/config.txtを読み出し、最終行にinclude userconfig.txtという記述を追加しておいて下さい。

Step.9 

以上の作業が終了したらCM3MBxの電源を切り、PCとの接続ケーブル(microB to USB-A)を外し、J6(USB Boot)の2-3間に短絡プラグを戻してDISableに設定 して下さい(Photo-4,5参照)。

[Photo-4]RPi-CM3MB2シリーズ

[Photo-5]RPi-CM3MB3

Step.10 

LANケーブル、必要に応じてHDMIケーブル、キーボードなどを接続した後、電源をONにして下さい。Power_LEDが点灯しその横のAct_LEDが点滅してRaspbianがLoadされればStep.9までの操作が正しく実行されたことがわかります。最初はファイルシステムの構築などが行われるため数分かかる場合もありますが正常にRaspbianが起動することを確かめて下さい。初回はHDMIディスプレイ(HD-TVでOK)とUSBキーボードを接続しておくことを推奨します。起動時いろんなMessageが次々と表示され最終的に画面の左上隅にUserとPasswordの入力prompt messageが表示されます。CM3Mbxに接続されたHDMIディスプレイとキーボードでStep.12以降の作業を行う場合はUser,PWの初期値としてそれぞれ pi, raspberryを入力して下さい。 User,PWが認証され Raspbianが起動したのちifconfig<Ret> と入力すればCM3MBxのIPアドレスが表示されます。

Step.11

同様な作業をCM3MBxに直接HDMIディスプレイとキーボードを接続せずに行う場合は同一LAN内のPCもしくはMacからSSHを使用してLoginする必要があります。

Step.12

ここまでのStepで’CM3 +’上のeMMCメモリにはRaspbianが正しくinstallされました。続いて、CM3MBxのShutdownボタンを有効にするための設定や、時刻(Time Zone)の設定を行います。CM3MBxのShutdownボタンは機器に組み込んでHeadless(CM3Mbxにキーボード、マウス、HDMIディスプレイを接続しないで)で運用している場合に電源を外部からOFFにしたい場合などにとても便利です。

 

閑話休題(その1) Windows10_PCからSSHでCM3MBxにloginするには

 Windows10にはWindows PowerShellというUNIXのターミナル風のUtilityが組み込まれています。左下のWindowsアイコン -> [Programの一覧]からWindows PowerShellを起動してください。  

PowerShellが起動したら’>’のプロンプトに続けて   

arp -a<RET>         注)<RET>はリターンキーを示します。

と入力してください。arpテーブルの内容がズラズラと表示されます。その中で物理アドレスが00-c0-d0-e0-xx-xxが含まれている行に注目してください。00-c0-d0は当社に割り当てられているIEEEアドレスコードです。これを含む同一行の左側に表示されている’192.168.xx.xx’がCM3MBxのIPアドレスです。  

Windows10(Pro Ver1909 build 18363.535以降)にはsshがinstallされていますので’>’に続けて   

ssh pi@raspberry<RET> もしくはssh pi@192.168.xx.xx<RET>  

と入力してください(xx.xxはarpコマンドで表示された実際の値を入力します)。Passwordの入力が要求されますので初期passwordのraspberryと入力してください。  

Passwordが認証されればRaspbianが起動します。  CM3MBxとのsshによる接続を解除する場合はexit<RET>と入力すればPower Shellの入力プロンプトが’PS C:\Users\xxxxx>’に戻りsshコマンドが終了したことを確認できます。  

PowerShellそのものを終了させるにはwindowの右上の’X’をClickすればOKです。

 

閑話休題(その2) eMMCとmicroSDカード

microSDカードには産業用(最近ではドライブレコーダ用)として耐久性が高い製品が販売されています。SLCと呼ばれるメモリ構造を使用したタイプが60,000回のR/Wに耐えられるということで販売されていますがmicroSDタイプのものは少なく8GBの容量でCM3 +を3枚買っておつりがくるような価格です。これに対しeMMC(embedded Multi Media Card:基板実装型マルチメディアカード)という名称が示しているようにNAND型のマルチメディアカードを基板上に実装できるようにBGAなどのパッケージに入れたものです。MMCはもともとSDカードとサイズが同一でインターフェイスも下位互換であったところからマイコンボードなどの外部ストレージとして使用されることがありました。SDカードのライセンス料を払えないマイコンボードベンダがMMC互換インターフェイスを使用してSDカードを使用していました。MMCはmicroSDに押されて市場からはなくなりましたが、スマートフォンなどの内部にeMMCとして組み込まれるようになりました。したがって、アクセススピードや耐久性はmicroSDとそれほど変わりませんが、ソケットなどの機械的な部分や接点がない分安定して使用できると思われます。

 

RPi-CM3MB2シリーズ

推奨ケース(タカチ電機工業社製 PF18-4-12)に組み込みました。

コネクタパネルも当社Webサイトより販売しています。

 

RPi-CM3MB3

推奨ケース(タカチ電機工業社製 MAX4-13-9)に組み込みました。

コネクタパネルも当社Webサイトより販売しています。

12月 192017
 

前回の「ラズパイでBLEタグ - REX-SEEK2 Bluetooth+LE対応 紛失防止タグを使う(その1)」では、
REX-SEEK2をラズパイから制御する方法として、デバイスアドレスの取得、設定情報の取得、
ブザーを鳴らす、LEDを点灯させるといったことを紹介しました。
引き続き REX-SEEK2をラズパイから制御する方法について紹介します。

REX-SEEK2 Bluetooth+LE対応 紛失防止タグ

今回は、REX-SEEK2のボタンが押されたことを検出する方法です。

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4月 252017
 

今回のテーマは、ラズパイ(Raspberry Pi)に関するものです。
RATOC e2eStore では、近年IoT関連で注目されている超小型シングルボードコンピュータ Raspberry Pi
のサポートを開始しました。

RATOC e2eStoreのサイトでは、Raspberry Pi で使用するための設定方法やサンプルプログラムなどの
情報を提供しており、Raspberry Pi をサポートする製品を集めた ラズパイ対応製品のカテゴリページ も
新たに追加しました。

Raspberry Pi はLinuxをベースとしたOSが搭載可能で、インターネットへの接続環境が標準で
利用できることから、様々なセンサーデバイスと組み合わせてIoTを実現するための産業用
コンピュータとしても使われ始めています。
2016年から発売の「Raspberry Pi 3 Model B」はBluetooth 4.1 に標準で対応しており、ラズパイを
Bluetooth LEタグとして動作させたり、ラズパイからBluetooth LEタグへの接続が簡単になっています。

そこで今回は、ラズパイからBLEデバイスへ接続し制御する方法を Bluetooth4.0+LE対応 紛失防止タグ
のREX-SEEK2
を使って紹介します。

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3月 302017
 

以前に「SPI/I2C Serial EEPROMへのアクセスを簡単に」と題して、数回に渡りREX-USB61-EEPROM
紹介させていただきました。
その中で専用のEEPROM書込みソフト(EEPROMProg.exe)について説明しましたが、このソフトのRev.2が
リリースされました。
大きな追加点としては、REX-USB61mk2 へ対応したことです。

これによって、スクリプトやプログラムを作成することなく、REX-USB61mk2 が持つ様々な機能を
使ってSPI/I2C EEPROMへのアクセスが行えるようになります。
今回は、このEEPROMProg.exe Rev.2 での新機能について説明します。

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1月 262017
 

前回の「REX-USB61mk2の新機能 レジスタ設定ツール(その1)」では、
REX-USB61mk2用として新たにリリースされたレジスタ設定ツールを紹介し
実際にRTC-8564NBを接続し動作させてみました。

今回は、このレジスタ設定ツール用にレジスタマップ、レジスターフィールドを定義するXMLファイル
について説明します。詳しい説明は、レジスタ設定ツールマニュアル [USB61mk2_REG_10.pdf]に
記載されていますので、以下よりダウンロードして合わせてご覧ください。

http://www.ratoc-e2estore.com/products/detail.php?product_id=47#download

それでは、このレジスタ設定ツール用 XMLファイルの記述内容について説明していきましょう。
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9月 292016
 

前回の「REX-USB61mk2で強化された機能(その4)」では、
REX-USB61mk2添付ソフトウェアのスクリプト実行アプリケーション USB61mk2_Script.exe
について紹介しました。

今回は、REX-USB61mk2用として新たにリリースされたレジスタ設定ツールのお話です。

[レジスタ設定ツール]とは、I2Cデバイス内にあるレジスタの読出しや設定を画面上から簡単に
行うことができるアプリケーションで、以下の特徴があります。
・I2Cデバイスの仕様書等にあるレジスタフィールドの表記と同様な表示が可能。
・I2Cデバイスのレジスタ表示詳細をXMLで記述、ユーザによるカスタマイズが可能。
・読み出したレジスタ値のCSVファイル保存が可能

それでは、以降でこのレジスタ設定ツールについて説明していきましょう。
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7月 072016
 

こんにちは
今回は、RS-232C接続の無線化を手軽に実現する方法についてのお話です。

今や無線というと、スマホやタブレットの普及によりWi-FiやBluetooth等による
無線の通信が一般的になっていますが、今回は、そのうちのひとつである
Bluetoothを使ってRS-232C接続を手軽に無線化する方法の紹介です。

では、なぜWi-FiではなくBluetooth なのかということですが、
これには、Wi-FiとBluetooth の違いと特徴を見ていくとわかります。

Wi-Fiは複数の機器同士でWireLess LANのネットワークを構築して通信することを想定しています。
一方、Bluetoothは基本的に1対1での通信を目的としています。
Bluetoothは、通信距離や通信速度の点でWi-Fiに比べて劣りますが、
セットアップの方法はWi-Fiに比べると簡単です。
また、消費電力がWi-Fiと比べると少ないといった利点もあります。

そして、BluetoothにはRS-232Cの無線化にとって重要な特徴があります。
それが、Bluetoothが持つシリアル通信を無線化するための専用プロファイルである
SPP(シリアルポートプロファイル)を持っていることです。

このSPPをそのまま利用することで透過的に機器間のデータ通信が行えるため、
RS-232Cによるシリアル通信を簡単にBluetoothへ置換えることができるのです。
そして、この置換えのことをケーブルリプレイスメントと呼びます。

RATOC e2eStoreでは従来からRS-232C/Bluetooth変換アダプタのREX-BT60を販売していましたが、
今回は、新たにこの製品を進化させてケーブルリプレイスメントを簡単に導入するためのセット製品
を用意しました。

それが、今回紹介する「REX-BT60CR ケーブルリプレイスメントセット」です。
bt60cr-top

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2月 092016
 

前回の「REX-USB61mk2で強化された機能(その3)」では、
REX-USB61mk2の添付ソフトウェアのスクリプト実行アプリケーション USB61mk2_Script.exe の機能について紹介しました。
引き続き、REX-USB61mk2添付ソフトウェアのスクリプト実行アプリケーション USB61mk2_Script.exe を紹介します。

今回は、サンプルスクリプトを記述して実際にデバイスを接続しての操作について紹介していきます。
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7月 102015
 

前回の「REX-USB61mk2で強化された機能(その2)」では、REX-USB61mk2で強化された機能の中の高速化された機能と汎用入出力ポート(DIO)のサポートについて紹介しました。

引き続き、今回もREX-USB61mk2で強化された機能について紹介していきます。

今回は、REX-USB61mk2添付ソフトウェアのスクリプト実行アプリケーション USB61mk2_Script.exe を紹介します。

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5月 282015
 

前回の「REX-USB61mk2で強化された機能(その1)」では、
REX-USB61mk2で強化された機能のスクリプト機能、仮想COM機能、API関数について紹介しました。

引き続き、今回もREX-USB61mk2で強化された機能について紹介していきます。

今回は、REX-USB61mk2で高速化された機能と汎用入出力ポート(DIO)のサポートについて説明します。

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