11月 302012
 

こんにちは、
前回は「FDDエミュレーターについて(その3)」として「FDDエミュレーターのフォーマット作業」についてお話しました。
今回は、FDDエミュレーター REX-FDCF の各種設定についてお話します。

最初に、FDDエミュレーター REX-FDCF のFDDインターフェイス・コネクタに割り当てれれている各信号は以下のとおりです。

本物のFDD装置にはジャンパーピンを用いて、FDD装置の動作を切り替える(信号線の割り当てや機能を切り替える)ものがあります。
例えば、FDD装置よっては以下のようなFDDインターフェイスの設定が行えるものがあります。

  • “DRIVE SELECT 0″信号と”DRIVE SELECT 1″信号の入力を選択する(Aドライブ、Bドライブを選択)
  • “DISK CHANGE”信号を2番ピンに出力するか、34番ピンに出力するか を選択する
  • “HIGH DENSITY”信号を2番ピンに出力するか、4番ピンに出力するか を選択する
  • 34番ピンを”DISK CHANGE”信号ではなく”READY”信号として使用する
  • “MODE SELECT”信号の入力論理を選択する

FDDエミュレーターは元々は、DOS/V互換機のFDD装置を置き換えるのが目的でしたので、
2HDと2DDの切り替え用ジャンパーピンのみがあったのですが、
若干の変更で対応できるシステムが増えるなら、との理由で開発途中の試作基板の改版を行い、
ディップスイッチでFDDエミュレーターの動作を切り替えられるような作りに変更しました。
このことによりディップスイッチの変更で、FDコントローラーからのFDD信号にある程度自由な
対応が可能になりました。

FDDエミュレーター REX-FDCF では背面のディップスイッチを使って以下の設定が行えます。

■No.1: 2HD/2DD選択

REX-FDCF は、2HD(1.23MB, 1.44MB) と 2DD(640KB, 720KB)に対応していますが、
この2HDと2DDの切り替えを選択します。
元々、フロッピーディスクの2HDと2DDの識別は、メディアに用意されている識別用の穴で決定されます。
一方、FDDエミュレーターではCFメディアを使うため、ディップスイッチの設定により決定されます。

      ON : 2DD
      OFF: 2HD  [工場出荷時]

■No.2: ドライブ(A/B)選択

DOS/V機では、FDDケーブルの1台目接続用コネクタのpin10-16の部分がひねられて接続しており、2台目接続用コネクタのpin10-16はストレートで接続しています。
FDDケーブルに上記のような加工がされておらず、ホスト側がFDD装置の2台接続(デイジーチェーン)に対応している場合には、FDD装置側での対応が必要になります。
本製品の片側をAドライブ、もう片側をBドライブと設定することで対応させることが可能になります。

     ON : Aドライブ(DRIVE SELECT0 入力使用)
     OFF: Bドライブ(DRIVE SELECT1 入力使用)  [工場出荷時]

ドライブ(A/B)選択信号は、FDDインターフェイス・コネクタの10番ピン(/DS0:In)および12番ピン(/DS1:In)
の信号が”Low”になることでドライブ選択の設定に対応した本製品が選択されます。

■No3: ドライブモード選択(2モード/3モード)

    以下のドライブモードの選択を設定するスイッチです。

  • 2モード(1.44MBおよび1.23MB と 720KBおよび640KB)の切り替えサポート
  • 3モード(1.44MB, 1.23MB,720MB) の切り替えサポート
     ON : 2モード
     OFF: 3モード  [工場出荷時]

■No.4: MODE SELECT論理反転

FDDインターフェイス・コネクタの2番ピンに入力される”MODE SELECT” 信号の論理レベル (“H” / “L” )で、
2HDの記録容量(2.0MBモードと1.6MBモード)が切替りますが、この「”MODE SELECT”信号が “HIGH” のときに 2.0MBモードにする」あるいは、「”MODE SELECT”信号が “LOW” のときに 2.0MBモードにする」
を設定するスイッチです。

     ON : MODE SELECTが "Low" のときに 2.0MBモード、"High"のときに 1.6MBモード
     OFF: MODE SELECTが "High"のときに 2.0MBモード、"Low" のときに 1.6MBモード

記憶容量の2.0MBおよび1.6MBとはアンフォーマット時の容量で、フォーマット容量 1.44MBおよび1.23MB
になります。
2DDの記憶容量の1.0MB(ファーマット容量720KB/640KB)の場合は、”MODE SELECT”信号は無視されます。

■No.5~7: DISK CHANGE/READY出力選択

“DISK CHANGE”信号、”HIGH DENSITY”信号、”READY”信号の出力の有無とFDCインターフェイス・コネクタ
への出力ピン番号を設定します。

     No5 No6 No7
     OFF OFF OFF 2番ピンまたは4番ピンを"HIGH DENSITY"信号用とする    [工場出荷時]
           (実際の信号出力は、No8-9の設定に依存する)
             34番ピンに"DISK CHANGE"信号を出力する
     ON  ON  OFF 2番ピンに"DISK CHANGE"信号を出力する
             34番ピンは信号出力しない
     ON  OFF ON   2番ピンまたは4番ピンを"HIGH DENSITY"信号用とする
           (実際の信号出力は、No8-9の設定に依存する)
             34番ピンに"READY"信号を出力する
     ON  ON  ON  2番ピンに"DISK CHANGE"信号を出力する
             34番ピンに"READY"信号を出力する
     ON  OFF OFF  2番ピンまたは4番ピンを"HIGH DENSITY"信号用とする
           (実際の信号出力は、No8-9の設定に依存する)
             34番ピンは信号出力しない

“DISK CHANGE”信号は、メディアが抜かれたときに”Low”が出力されます。
“HIGH DENSITY”信号は、2HDの場合、”Low”が出力され、2DDの場合は、”High”が出力されます。
“READY”信号は、メディアが挿入されてアクセスが可能となったときに”Low”が出力されます。

■No.8~9: HIGH DENSITY出力ピン選択

“HIGH DENSITY”信号の出力の有無と出力ピン番号を設定します。

     No8 No9
     ON  OFF HIGH DENSITYを2番ピンに出力する
     OFF ON   HIGH DENSITYを4番ピンに出力する
     OFF OFF HIGH DENSITYを出力しない      [工場出荷時]

“HIGH DENSITY”信号は、2HDの場合、”Low”が出力され、2DDの場合は、”High”が出力されます。

このようにREX-FDCFでは、背面のディップスイッチの設定で、FDDインターフェイス信号の様々な条件に
対応させることが可能となっています。
今回は、FDDエミュレーター REX-FDCF の各種設定について説明しました。
次回は、FDDエミュレーター REX-FDCF で書き込まれたCFカードを市販のUSB接続のCFカードリーダーで
アクセスする方法について説明します。
FDDエミュレーターについて(その5)」へ続く。


関連記事
FDDエミュレーターについて(その1)
FDDエミュレーターについて(その2)
FDDエミュレーターについて(その3)
FDDエミュレーターについて(その5)

  2 コメント

  1. 些細なことですが、Disc Changeではなく、Disk Changeです。

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